「運動時間を変えるだけ」「睡眠時間を確保するだけ」で効率よくダイエット

 

「いつ何を食べたらいいの?」「いつ運動すればいいの?」時間栄養学に基づいたダイエット

第2回
「運動時間を変えるだけ」「睡眠時間を確保するだけ」で効率よくダイエット
 
食事だけでなく、運動や睡眠もダイエットには関係し、時間によって効果に差が現れます。生体リズムの視点から研究された「時間栄養学」に基づいて、効率よくダイエットしましょう!


目次
[2] 肥満の原因は夜更かしにあり!睡眠時間確保で効率よくダイエット
 
肥満の原因は夜更かしにあり!睡眠時間確保で効率よくダイエット
食事や運動に気をつけているのになかなか痩せない、という方は睡眠が充分にとれていない、または寝る時間が不規則なのかもしれません。ダイエットに役立つホルモンの分泌は寝不足だと低下してしまうのです。

【 睡眠不足も肥満の原因に 】
■グレリンとレプチン
食欲コントロールには、胃から分泌される「グレリン」と脂肪細胞から分泌される「レプチン」というホルモンが関係します。睡眠時間が短くなると、空腹感を促すグレリンの分泌量が増え、食欲を抑えるレプチンの分泌量が低下するため、過食を増進することになります。それに、レプチンは一定以上に体脂肪が蓄積しないようにエネルギー代謝をコントロールしているので、分泌の低下は、脂肪の増加につながります。

■成長ホルモン
「脂肪の分解を促進する」「筋肉や骨格を成長させる」など、カラダにとって大切なホルモンです。眠っているときに多く分泌され、細胞の修復や疲れの回復のために働きます。ダイエットにもアンチエイジングにも欠かせない成長ホルモンですが、分泌が盛んになる深夜まで夜更かししていると、その恩恵が受けられないことに。少なくとも、日が変わる前には眠るようにしましょう。


【 90分のリズムが崩れると 】
イライラ、ストレス 眠りにも周期があります。浅い眠り(ノンレム睡眠)から深い眠り(レム睡眠)に90分かけて移り変わり、それを1サイクルとして、一晩のうちに4~5回繰り替えします。睡眠時間が足りず、90分のリズムが崩れると、集中力や空腹感の周期が短くなり、イライラしやすくなったり、過食気味になります。睡眠不足は精神や食欲にも大きな影響を与えるのですね。


【 早寝、早起きをするには 】
いままで夜更かししていたのに、急に就寝時間を早くするのは難しいもの。睡眠時間を充分にとりたいのに、なかなか寝付けず、布団の中で時間を過ごすことも多いのでは。そういった方は早く寝ることよりも、早く起きることを優先しましょう。早起きすると自然に眠気が訪れます。また、夕方以降にカフェインの多いコーヒー、紅茶、緑茶は飲まない、夕食の量を減らし胃腸も休息モードにするなどが、安眠を誘うコツです。

早く起きると、早く眠れる

夜型、朝食抜きは不規則な生活の典型パターン。これではいくら食事を制限し、エクササイズを頑張っても、なかなかダイエットの結果は現れません。日が出ているときは活動し、夜になったら休むという生体リズムに逆らわず、規則正しい生活にチェンジしましょう。体内時計が整うことで、ダイエットだけでなく、便秘や肌荒れ、イライラ、過食などの不快な症状も改善されますよ。

〈参考図書〉
時間栄養学-時計遺伝子と食事のリズム(日本栄養・食糧学会監修 香川靖雄編著 女子栄養大学出版部)