健康保険組合

コニカミノルタ健康保険組合

真の健康・幸せ・喜びの実現を目指して

コニカミノルタ健康保険組合様では2016年9月から『あすけん』を社員とそのご家族の健康施策のために活用していただいています。
『あすけん』導入のきっかけや健康経営への考え方、行った施策について、お話を伺いました。

ヘルスリテラシーの高い社員を増やすことが、
結果的にKGIを高めることになる！

https://www.konicaminolta.jp/about/csr/social/human-capital/health-improvement.html#a01

コニカミノルタ健康保険組合様は、企業とのコラボヘルス体制のもと「健康中期計画」を基軸とした各種健康維持・増進施策を推進していますが、KGI（※1）を直接的に目指すのではなく、プレゼンティーズムの改善などのKPI(※2)を達成することで、結果的にPOS(※3)が向上し生産性向上につながるという考え方で健康施策に取り組まれています。
KPIやKGIの設定は、産業医、産業保健スタッフ、人事部健康推進担当者などを含むプロジェクトチームで行っており、活発な議論がなされているそうです。
従業員一人一人が心身ともに健康であることが、結果として企業の持続的成長につながっていくと考え、生産性と活力向上に向けて、組織健康度の向上、プレゼンティーズム/アブセンティーズム（※4）の低減について、定量化して改善を進めることで、これらの実現を図ります。『あすけん』はプレゼンティーズム低減対策の一環として導入いただいています。
そして、エンゲージメントを含むリーダーシップの土台、組織の健康、身体の健康推進、生産性向上を経営課題として認識されており、特にヘルシーリテラシーが高い従業員を増やすこと、健康状態がマイナスからゼロになった従業員をさらにプラスの状態にすることを目指しているそうです。
また、ディフェンス（健康リスクの低減）だけでなく、オフェンス（生産性向上や組織全体の強化）の視点も重要だと考えており、最終的には従業員とその家族全体の幸福感を高めることを目標に掲げられております。

※１：KGI：Key Goal Indicator（キー・ゴール・インジケーター）重要目標達成指標
※２：KPI：Key Performance Indicator（キー・パフォーマンス・インジケーター）重要業績評価指標
※３：POS-H：Perceived Organizational Support-Health（パースィーブド・オーガニゼーショナル ・サポート‐ヘルス）従業員が認識している組織的な健康支援
※４：プレゼンティーズム：出社しているけれど、心身の不調が原因で十分に仕事の パフォーマンスを発揮できていない状態のこと
アブセンティーズム：病気やケガ、心身の不調などが原因で仕事を休んだり遅刻、早退をしたりする状態のこと

---

『あすけん』の導入のきっかけを教えてください。

導入の背景としましては、第1期中期計画（FY14開始時）において、

• 栄養バランス
• 朝食摂取
• 正しい間食
• 早食いの改善
• 就寝2時間前の食事回避

の5つの食に関する課題に取り組んできたものの、当初の目標には届かなかったことが挙げられます。従業員への食育の強化を検討する中で、社員食堂を運営する株式会社グリーンハウスとの連携（※５)をきっかけに、「健康日本21」（※6)におけるICTを活用した健康増進の推奨の流れもあり導入を検討しました。
『あすけん』はその当時でも他のアプリと比べて登録者数が多く、体重減少のエビデンスもありました。アプリへの投資効果への期待を込めて2016年より導入を決めました。

※５：グリーンハウスとの連携：グリーンハウスの提供する社員食堂で提供されるメニューが『あすけん』アプリに連携され、簡単に食事記録が登録できるサービス
※６：健康日本21：厚生労働省が中心となって推進している国民の健康づくり運動のこと
（https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/s0.html）

導入後の従業員様の反応はいかがでしたか？

『あすけん』の導入による食事の見直しや運動習慣の定着により、従業員の見た目が変わった、スリムになった、顔がすっきりした、表情が明るくなった、笑顔が増えたという変化を感じることができました。
また、直接従業員から「毎日『あすけん』を使っています。」「アドバイスが良い」といったポジティブな声や、役員自身がヘビーユーザーとなり他の役員にも『あすけん』勧めているという話を聞くと、導入担当者としてはとてもうれしく思いました。
一方で利用継続が課題であり特に3食の記録が負担になるため、いかに楽しく利用してもらうかを考えました。導入当時は、現在のようなセミナーやチャレンジといったオプションメニューはあまりなく、社内の産業医などに依頼してセミナーを実施していました。
最近のチャレンジ企画などは、利用継続のスパイスになっていると感じています。
セミナーだけでなく、実践と定着につながるようなプログラム設計を重視しており、最近の社内イベントでは必ずそのような仕掛けを取り入れています。

ポジティブな意見ばかりではないと思いますが、その点はいかがでしょうか？

ネガティブな意見こそ改善につながる貴重な財産だと考えており、イベント後のアンケートなどで積極的に収集しています。
ネガティブな意見の例として、アプリの入力の手間、写真解析の精度、効果への疑問などがありました。ネガティブな意見をいただいた従業員に対しては、丁寧に話を聞き、他の健康施策プログラムなども紹介することで、関係性を築くように努めています。
関心があるからこそ、ネガティブな意見が出てくると考え、たとえばその人の関心がどんなところにあるのかを聞き出し、運動に関心がありそうだったらウェアラブルデバイスと連携できます！とか、血圧どうですか？食事管理や運動をしてみませんか？試しに使ってみませんか？といろいろな方向からその方の関心に寄り添うようなアプローチをしてみます。そこでハマった人はもうばっちりで（笑）、健康への関心につながっていく傾向にあります。
『あすけん』の魅力として、利用者一人ひとりの課題に寄り添ったコースが選択できること、右下のボタンから様々なプログラムが出てきて取り組みやすいこと（チャレンジ）、個別の栄養バランスの数値が見られるということ、年齢によって健康課題が変わる中で、その時々に合った情報が得られるところが良いと感じています。

今まで行ってきた施策の中で、従業員様の反響が大きかった施策はどのようなものですか？

従業員からの反響が大きいのは、睡眠、眼精疲労、プレゼンティーズムに関するものだと感じています。
上述の通り生活習慣（運動、食事、睡眠）の改善が生産性向上にも重要だと考えます。平行してメンタルヘルス対策にも取り組んでいますが、プレゼンティーズム対策に重点を置くことで、メンタルヘルス不調者の低減や組織の活性化にもつながると期待しています。

今後は『あすけん』を通じてどのようなことを実現したいとお考えですか？

今後特に力を入れたいのは、特定保健指導プログラム終了後の対象者への継続的な支援です。
特定保健指導から離脱した人のリバウンド率が高いという課題に対し『あすけん』を活用して継続的にサポートする仕組みが重要だと考えています。また、高齢者層の健康へのリテラシーが高い一方で、若年層の参加率が低いという課題もあり、それぞれの層に合ったアプローチが必要だということも感じています。
askenの皆様にはそのようなイベントやプログラムの提供に期待しています！
そして、イベントごとの評価はできているものの、全体としての複数年の効果や、利用期間による効果の違いなどを十分に把握できていないと認識しており、そのような効果検証の仕組みがあれば良いと考えています。
個人情報保護の観点から難しい面もありますが、健診結果や問診結果と紐付けて分析できるような仕組みに期待しています。

最後は、渕上様ご自身についてお伺いします。

渕上様ご自身はひとりのユーザーとして『あすけん』をどのように活用されていますか？

健康診断の2ヶ月前から集中的に『あすけん』を利用することで、体重を3kg程度コントロールできると感じています。運動も行っていますが、食べ過ぎてしまうこともあるため、調整に苦労することもあります。必要な時にメリハリをつけて利用するのが良いと考えています。

もともと健康に関心が高かったのですか？

スポーツや運動は好きでしたが、タバコやお酒などの生活習慣は少し乱れることもありました。

では、今のお仕事に対する強い思いはどのように生まれたのでしょうか？

私の中で、今の仕事観や人生観に深く影響を与えた、忘れられない経験があります。
前職では労働組合の業務に携わっており、その中のひとつに、従業員の方が亡くなられた際、ご遺族のもとを訪れ、人事担当者とともに労働保険の給付手続きを行うという仕事がありました。
亡くなられた方の事情は一人ひとり異なり、その背景を知るたびに胸が締めつけられました。ご遺族の方と向き合う時間は、いつも深い悲しみに包まれていて、かける言葉すら見つからず、ただただ寄り添うことしかできませんでした。
その経験を通して強く思ったのは、「働く人やその家族が健康で、安全な環境の中で、安心して毎日を過ごせる社会をつくりたい」ということ。
真の健康・幸せ・喜びの実現を目指して、これからも日々業務に取り組んでいこうと思っています。

2024年の事例

コニカミノルタ健康保険組合では、2023年の「新健康中期経営計画」より生産性向上の指標として「プレゼンティーズム測定調査票WFun（※）いわゆる中度以上の割合」を掲げ、各種取り組みを行うことになっています。
有効性のある取り組みを「身体活動」「朝食摂取」「補食（血糖値コントロール）」「睡眠」にブレイクダウン。その中で「朝食摂取」「補食」の施策として、ご担当者様と意見交換をしながら、『あすけん』では以下の通り2回のイベントを実施しました。

※ WFun (Work Functioning Impairment Scale) とは、産業医科大学で開発された、健康問題による労働機能障害の程度を測定するための調査票。得点が高いほど、労働機能障害の程度が高いことを意味します。
https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/kaneki/wfun/entry1.html

経年で見た時のセミナーやチャレンジの利用者増の影響について

下のグラフでは、2017年以降、毎年イベントを実施したことによりアプリ利用者が増加している様子と、増加した利用者がユーザー離れせずに、一定数が積みあがっている状況が確認できます。 このことから、セミナーやチャレンジといった施策は、そのときだけのものではなく、アプリ利用を継続し、健康を意識する従業員の数にも好影響を与えると考えられます。